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2010年8月
『残そう!東京の緑』

「緑」といえば、癒やしや安らぎを与えてくれるだけでなく、二酸化炭素を吸収したり、ヒートアイランド現象を緩和するなど、実に多くの機能を果たしており、都会に住む私たちにとって、とりわけなくてはならない存在です。そんな貴重な緑が年々減少しています。
東京の緑を将来に受け継ぎ残していくためには、どうすればよいのでしょう。
様々な取り組みをご紹介します。

大切な緑
「なぜ、緑を残さなければいけないのか?」
それは「緑」が私たちにとって大切な存在だから。

緑は色々な役割や機能を果たしています。

  • 景観の形成
    緑は美しい景観を造り出し、潤いや安らぎをもたらしてくれる他、地域のランドマーク、自然資産としての機能も果たしています。

  • CO2(二酸化炭素)を吸収
    緑は地球温暖化の原因となっている二酸化炭素、つまり温室効果ガスを吸収してくれます。

  • ヒートアイランド現象の緩和
    緑は、周囲の熱を吸収してヒートアイランド現象を緩和する機能があります。大規模な緑地と市街地の気温を比較したサーモグラフィの画像を見ると、緑地の方が温度が低い結果が出ています。

  • 災害時の被害を軽減
    緑は、様々な災害の被害を軽減します。
    緑があるということは、地面が土であるということです。大雨が降っても、土が雨水を吸い込むことで洪水など水害の被害を軽くします。
    また、緑があることで火災の燃え広がりを防いでくれたり、災害時の避難場所としての役割も果たしています。

  • 生物生態系の維持
    緑は様々な生き物の住みかとなる場所です。
    生態系を維持するためには欠かすことができません。


緑確保の総合的な方針
緑は、都民みんなのかけがえのない財産であり、将来に引き継ぎ残していかなければならない、大切なものである、との考えから、2010年5月、東京都が打ち出したのが、
「緑確保の総合的な方針」。
この方針の第一に重要なポイントは、現存する民有地の緑をいかにして残していくか、という点にあります。

そこで、まず取り組まれたのが、今後10年にわたって保存すべき「今ある緑」の分類。
いま都内にはどのような緑が、どのくらい存在するのか、ということを調査し、さらに現存する緑を、生育する場所や地形・性質などタイプごとに分類、その性格に合わせ、最も適した保存の仕方を考えていこうというものです。
方針による、保存すべき緑は次のように分類されます。

最初に、「樹林地」。

  • 「山地」
    名前の通り山地の森林の緑のこと。東京都の西側、関東山地に分布し、東京都の面積のおよそ2割を占めています。

  • 「丘陵地」
    多摩地域に分布し、変化に富んだ地形や湧水が多く、生き物も住みやすいことから、重要な緑と位置づけられています。

  • 「崖線(がいせん)」
    これは崖の緑のこと。国分寺崖線など都内に約40箇所、総延長230kmに及び、遠くからは連続して見ることができるのが特徴です。

  • 「平地林」
    雑木林のことです。武蔵野の風景を代名詞とされるほど以前は多く見られましたが、今では多摩地域にすらわずかに残るのみ。

  • 「屋敷林」
    名前の通り屋敷を取り囲むように作られた林。比較的小規模な林で、街道沿いに多いほか市街地にも分布する身近な緑です。

  • 「寺社林」
    お寺や神社の敷地の緑です。地域の特色や、歴史を感じさせる緑です。

ちなみに東京の樹林地の面積は過去10年間で約800ha、東京ドーム171個分ほども減少しています。

もうひとつ守る保存すべき大切な緑が、「農地」。
これもはっきりと減少傾向にあり、過去10年間で約1600ha、東京ドーム342個分も減っています。

○「緑確保の総合的な方針」について詳しくは…
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/seisaku/midori_kakuho/index.html

なぜ「緑」は減少するのか
東京都では、様々なかたちで緑を増やす取組みを続けています。
その結果、公園や屋上緑化の緑など、過去10年間で1000ha以上、東京ドームで214個分以上の緑を増やすことに成功しています。ところが、それを上回る勢いで「今ある緑」は減っています。一体なぜでしょう?

そのカギとなるのが、「民有地」。

都内の緑の多くが、民有地、つまり個人や企業が持っている土地にあるため、所有者の事情、例えば後継者がいないだとか、相続税などの税金が払えないといったことなど、様々な事情により失われる恐れがあります。

「緑」確保の方策

そこで設けられたのが、確保地のレベルと確保候補地。
東京都では、様々な事情から減少しつつある民有地の緑を確実に残していくために、保存すべき緑を「確保地」と名づけ、さらにそれぞれの確保地の性格に応じて、保存にあたっての優先順位を付けました。
それが、次のレベル1からレベル3の3段階です。

  • レベル1:買い取ってでも残す緑。
    東京都がその緑地は将来に残すべきであると判断し、法律や条例などで強い規制を行ないます。そして所有者の事情などにより、その緑が失われる可能性がある場合、その緑地を買い取って守り残していきます。
    事例のひとつが青梅市にあります。業者の宅地計画が頓挫。その後青梅市も開発から緑地保全に方向転換し、2010年「特別緑地保全地区」に指定、市で買い取り、保存することが決まりました。
  • レベル2:所有者に持ち続けてもらう緑
    レベル1より法律や条例などによる規制がやや緩和されています。
    所有者に出来るだけ長く緑の環境を維持してもらえるよう、助成金などの補助があります。
    一例が「よみうりランド北側緑地」。
    稲城市が緑の保全を図ることを目的とした「自然環境保全地域」に指定し、助成金などを交付しています。
  • レベル3:残す努力をしていく緑
    所有者の同意を得て区市町村との間で協定を結ばれ、保全が図られる緑です。所有者が敷地内の樹木を切るときなどには自治体への相談が義務付けられる程度の、緩い制限が加えられます。
なお現在まで指定された「確保地」は、レベル1からレベル2、レベル3合わせて82箇所、およそ305haに上ります。
また、将来に確保地にレベルアップされる可能性のある「確保候補地」は、約310箇所、1100ヘクタールほどになります。
合計で、およそ1405ヘクタール東京ドームおよそ300個分。テニスコートでは72000面ほど、サッカー場で言うと、2000面ほど。

「緑」を守り、「緑」を残す
「緑」を残す具体的な取組もはじまっています。

  • 「一之江抹香亭」
    江戸川区の取組。屋敷林を残すため、区が買い取りました。
    東京の原風景である屋敷林をそのままの姿で保存するための試みです。
    江戸時代、焼香に使われる抹香を製造していた一家の母屋と屋敷林を公園に整備。
    園内には、当時から抹香の原料にも用いられていた、樹齢750年を超えるタブノキも見られます。

  • 「中央区の森」
    中央区と檜原村が協力し、地球温暖化対策と森林保全活動の一環として、檜原村の樹林地を整備しています。名づけて「中央区の森」。現地では、森林の保全活動や環境学習などが行なわれています。

  • 「東京の緑を守ろうプロジェクト」
    民間企業と東京都が力を合わせた緑地保全の取組みです。都と「セブンイレブン記念財団」は『東京の緑を守る将来会議』を設立。
    8月21日、東京の緑の将来を考えるシンポジウムを開催しました。10月からは「東京の緑を守ろうプロジェクト助成」をスタート。樹林地の手入れなどを行う市民団体の活動費用に対する助成の募集をはじめます。

    ○東京の緑を守ろうプロジェクト助成について詳しくは…
    セブン‐イレブン記念財団 http://www.7midori.org/

  • 「体験農園」
    実際に緑に触れてみたくなった方には、ピッタリ。
    農業を体験してみたいという一般の参加者が、農園主の指導を受けながら実際に農作業が体験出来る農園です。

    農地も立派な守るべき緑。農地で農作業をすることによって、農作物にいろいろと手をかけたくなります。これもまた、緑に関心を持つことにほかなりません。

    「体験農園」参加ご希望の方は、次のホームページ、『東京農業WEB』をご覧下さい。各体験農園の紹介や、募集要項が載っております。

    東京農業WEBサイト http://www.tokyonogyo.jp/index.html
    または区市町村の農業振興の担当課までお問い合わせください。

  • 「市民緑地」
    「市民緑地」とは、都市に残された民有地の緑を保全し、憩いの場とすることを目的として一般公開している緑地のことです。これならいつでも誰でも、足を運べばそれだけで簡単に緑と触れ合うことが出来ます。現在都内に59箇所。
    それぞれが魅力たっぷり、癒やしと安らぎの空間となっています。

    番組では59箇所の中から、厳選して3箇所の市民緑地を取材しました。
    • 「清水山憩いの森」
      練馬区の住宅地にある、武蔵野の面影を残す雑木林。
      東京23区内では珍しいカタクリも自生。
      「東京の名湧水57選」にも選ばれた湧水も。 
    • 「千駄木ふれあいの杜」
      文京区の「谷根千」として知られる一郭。
      山手線の内側では唯一の市民緑地。
      鴎外や漱石など明治の文豪が居を構えた頃
      このあたりに広がっていた崖地の緑を残す数少ない場所です。
    • 「成城三丁目なかんだの坂市民緑地」
      成城の住宅地の中、国分寺崖線の斜面に残された貴重な林です。
      所有者とボランティアによる保全活動が定期的に行なわれ、地域を挙げて大切に守られています。

    ○世田谷区の市民緑地について詳しくは…
    世田谷トラストまちづくり http://www.setagayatm.or.jp/index.html

  • 「緑のボランティア ポータルサイト」
    民有地の緑を守っていくうえで、忘れてはならないことがあります。近所の人やボランティアの力の大切さです。

    東京都では、「緑のボランティア ポータルサイト」を運営しています。貴重な緑を保存するために、何かできることはないかと思い立ったときに参加出来るボランティア活動の紹介や、そのための募集要項が載っています。是非ご覧下さい。

    緑のボランティアポータルサイト
    http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/sizen/green-vp/index.html

本日のまとめ
今ある緑はなくてはならない大切なもの。
緑を社会全体で支え、残していくため、緑の保全にご協力下さい。


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(締め切り:9月4日)
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