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[セカンドライフシリーズ] 妻の病気乗り越え、夫婦でブランドつくる

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2008年7月22日


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 団塊世代の大量退職を迎える中、TOKYO MXではこれまでの経験を生かしながらも新たなスタートを切った人のセカンドライフをリポートでお伝えしています。今回は妻の病気をともに乗り越え、新しくバッグのブランドを立ち上げたスタイリストとデザイナーの夫婦を紹介します。

 たくさんのバッグが集まるアトリエ。バッグのブランド名は『beaucoup(ボクゥ)』。8年前、伊藤浩史さん・京子さん夫婦が立ち上げました。それまで2人は別々にファッション業界を歩んできました。夫の浩史さんは大手アパレルメーカーでチーフデザイナーとして働き、京子さんはトップスタイリストとして有名女優やモデルのスタイリングを担当しました。
 それぞれが忙しい日々を送っていましたが15年前から生活が一変しました。京子さんが脳梗塞で倒れ、長いリハビリ生活が始まったのです。浩史さんは「僕は会社を辞めて独立しようとしていた矢先だったので、結構そういう意味では大変は大変だった。ただ彼女にとっては割と僕は献身的に時間が許すから(よかったのではないか)」と振り返ります。
 それからおよそ1年。京子さんは右半身に麻痺が残るものの回復し、仕事に復帰しました。その後は京子さんに来る仕事を浩史さんがサポートするなど、ほとんどの時間を一緒に過ごしてきました。浩史さんは「せっかくなら一緒になるべくしないと…。彼女にあんまり疎外感を味わわせたくなかったので、とりあえず無理やりでも一緒にひきずりまわしてやってきた。なんとなく手探り状態でこの仕事にたどりついたって感じなんです」と話します。
 そして誕生したバッグブランドが「beaucoup」です。生地をそろえるのは京子さん、そして浩史さんは素材を生かしたデザインを考え作っています。ときには京子さんから厳しい意見が出ますが、勝手なことを言える関係が良い作品を生むと言います。
 この日は京子さんが書いた洋裁の本の出版を記念する作品展が開かれました。beaucoupのバッグも数多く並び、大勢のファンが集まりました。beaucoupファンだという人は「男の人でも荷物が大きいときには、丈夫にできていてすごく素敵」「(beaucoupのバッグを)持っていると、知らない人にも『かわいいバッグですね』って言われる」などと話します。中には浩史さんが京子さんの体を気遣いデザインした作品もあります。バッグの中が3つに区切られている上、紐をしまうと手提げにもなり、右半身の自由が利かない京子さんでも使いやすいつくりになっているものです。
 洋服を専門に手がけてきた2人ですが、バッグのブランドにしたのは京子さんの「バッグが宝石のようになるといいなあと思って…」という熱い思いがあったからです。これに対し浩史さんも「(僕の)アートのセンスがいいから、僕にバッグを作らせれば素晴らしいアーティスティックなバッグを作るだろう、と思ったんでしょ…?」と笑顔で応えます。
 ブランドを立ち上げてから8年。浩史さんは京子さんに支えられたことが多かったと話します。浩史さんは「(京子さんは)物事にあまりこだわらないから、(私も)めんどくさくないというか、落ち込んだりとかがあまりない。ほとんど支えられています」と話します。
 今が一番自然な形と話す2人…。これからも寄り添いながら良い作品をつくる自信に満ち溢れています。京子さんが「これからもどんどんいいものを作って行こうと思っています、彼はね…」と言えば、浩史さんは「『作らせよう』と思っているそうです」と笑わせ、2人の息はぴったりのようです。