TOKYO MX NEWS
前のニュース

早稲田大学×NASA 「月の砂」クリーニング技術完成

次のニュース
2009年1月30日


動画
 早稲田大学がNASA(=アメリカ航空宇宙局)と共同で月の砂を取り除く技術と装置を開発し、その成果がきょう発表されました。
 今、世界各国では月の探査計画が進められていますが、月の上で活動をするときに問題になるのが、月の砂=ルナダストです。ほこりのような砂が機械の隙間に入ったり、また人間が吸い込むと健康に害を及ぼすともいわれています。早稲田大学が開発したのは、この月の砂=ルナダストを取り除く技術です。
 装置はガラスなどの表面に透明な電極をはりつけた、とてもシンプルな構造。一瞬にして表面につもったダストを取り除きます。真空状態で、重力が地球の1/6である月でも使えるのは、静電気を利用しているからです。電極に電圧をかけると発生する静電気。ルナダストはこの静電気にひきつけられます。静電気の強さを場所によってかえることで、ルナダストをひっぱり動かします。振動しない。わずかなエネルギーで動く。メンテナンスも不要。しかも透明なので、月の上に設置される観測機器のレンズ表面やソーラーパネルにつもったルナダストを取り除きます。
 この技術、もともとレーザープリンタのトナーを動かすことを目的に開発されていました。「数年前、ルナダストがこれから宇宙開発をする際問題になることを知って、われわれのトナーの研究成果が使えるのではないかと」【早大大学理工学術院、川本広行教授】
 ある程度技術が完成したところで国際学会で発表したところ、NASAの目にとまり、共同研究をもちかけられました。実験は今年1月、早稲田大学で行われ、実際にアポロ11号が持ち帰った砂が使われました。「アポロ11号は最初に月面に到着したプロジェクトで、私が大学1年生の頃、船長が左足から月面に降りたというあの近くの砂だと聞いている」【川本教授】
 実験の結果、システムは十分月で使えるものであることがわかりました。早稲田大学では、今後この技術を応用して宇宙服をクリーニングする技術など、NASAと技術開発に取り組んでいきたいとしています。