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マラソン熱利用して 元ひきこもり男性の奮闘

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2009年2月12日


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 東京マラソンまでおよそ1ヵ月となり、皇居沿いにあるTOKYO MXからも皇居を走る市民ランナーの姿をたくさん見ることができます。そんな中、休憩所やシャワー施設などランナー向けの施設も充実しつつある皇居周辺で、引きこもりやいわゆるニートなどからの脱却を支援しようと奮闘する人たちがいます。

 先月、皇居の近くにある気象庁前の広場には引きこもりやいわゆるニートの経験がある人、そして、その支援に取り組む人などおよそ30人が集まりました。この集まりの中心が、遠藤一さん(29)です。遠藤さんは19歳から22歳まで「働きたくない」とひきこもり生活をしていました。遠藤さんは「昼夜逆転していて、夜に起きてご飯がなくなったらこっそりコンビニに買い出しに行く生活。引きこもりのときは働かなきゃとか何でこんなことをしてるんだ自分は、将来どうするのか、とかを考えていた」と当時を振り返ります。
 そんな生活を変えたのが知人の薦めで始めたという空手でした。遠藤さんは「空手行ったあと寝るまで悩まなくなりました。動いて殴り合って疲れて、メシがうまいみたいな」と話し、空手を始めて体力と自信をつけ、引きこもり生活を脱出したといいます。おととしからは自分の経験を伝えようと「レンタル空手家」と称して、引きこもりや「心の問題」を抱える人たちの部屋などに出向いて空手の指導をしています。『身体を動かして体力が付けば自信が付く』――遠藤さんはその思いで新たな取り組みを始めています。
 その取り組みが、皇居の周りを走る皇居マラソンです。遠藤さんは「空手だとやる人が少ない。マラソンは(参加しようと思う人が)すごく多いから、運動をする間口を広げられると思って…」と話します。このマラソンイベント、今回は去年に続く2回目の開催で、参加者はおよそ30人と前回の2倍以上に増えました。
 順位やタイムは関係なし…。参加者たちは2人1組で1周5キロのコースを走ります。それぞれが自分のペースで走り、全員が無事に完走しました。参加者からは「(主催者が)ニートが集まるチャットに遊びに来て、そこでお声をもらって参加しました。やっぱり楽しかったです。いい汗かきました」「最近は部屋で1人でいることが多いので、人と話したり交流する機会があってよかったと思う」といった声が聞かれました。遠藤さんは「1人で走れないものも誰かと一緒だったら精神的に寂しくないし、走れるものだと思う。(参加した皆さんが)楽しそうだったので、楽しく気持ちよく走ってくれたのならうれしいです」と話していました。
 “健康のため”だけではないこのマラソンイベントは参加者の心を動かすきっかけにもなったようです。遠藤さんの奮闘はこれからも続きます…。