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| 2009年3月2日 | ||
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先月19日、国連教育科学文化機関=ユネスコは『消滅の危機にある言語』について発表を行いました。現在、「消滅」の危機に晒されている言語は世界で2500あります。4段階に分類される中には東京都の八丈島の方言が含まれていて『子どもが、もうその言語を学習しない状況』とされる「危険」と分類されました。 消滅の危険がある八丈島の方言…。その現状を取材しました。 「はら弁当箱はかーかーかー」。これは八丈島の方言です。標準語で表現すると「もう、弁当箱は乾いたか」…。 日本語はおおまかに本土方言、琉球方言、そして八丈方言に分かれます。八丈方言は弥生系の言語がベースであると考えられている現在の標準語とは大きく異なります。言語に詳しい千葉大学国際教育センターの金田章宏教授は八丈方言について「奈良時代当時に関東周辺にいた人たちの縄文的な要素がいろいろな面で残っている言葉で、ほとんどそのまま受け継がれている非常に特殊な言語だ」としています。 八丈島の方言は地区によって発音が違います。例えば「お母さんの元へ」は「母が元へ」が変化して、三根地区だと「ほーごーてい」、中之郷地区だと「ほあごあてぃー」、末吉地区だと「はーがーちー」です。これに青ヶ島を加えて大きく4つに分類されます。 いま、この方言が消滅の危機にあります。八丈島の地元中学生は「(自分は)話しません。家でだれも使わないので話すことはありません。家族は島出身だけどお客さんが来たときだけ方言です」と話します。 その大きな原因は八丈で生まれ育った先生がほとんどいないことで、1割にも上らないそうです。そして標準語と違い、世代間で方言の会話が成立しないため使われなくなっているのです。これについて金田教授は「今の70〜80代の人がいなくなれば、話す人はほとんどゼロに近くなるだろう。文化の多様性や言語の多様性は非常に大事です。それがなくなるということは多様なものの見方やものに対する知識がなくなってしまう」と危惧します。 こうした現状を受け、町の教育委員会は対策を検討しています。八丈町教育委員会の金川育男教育長は「方言は大事です。残していかなければならない」「町の方針をもとに、学校の教育課程に組み入れて進めていかなければならないだろう」と話します。また、八丈町立大賀郷小学校の茂手木清校長は「八丈島の小学校の子どもは必ず1回は方言を勉強する機会を。例えば、小学校のうちに100の方言を知るといったことが考えられる」と話します。 末吉地区で生まれ育った沖山尚昭さん(81)は「子どもはもう小・中・高校生とも(方言を)使っていない。そりゃ寂しいさ、懐かしいもの…。“腹いっぺえかめよ、腹いっぺえめえれよ”と言ったりするけど、“あがりやれよ”と言うとなんとなく他人行儀みたい。“これおいしくておいしくて”と言うときは“あいあいあいあい。これがんーまさーなー”って言った方が、いかにもおいしく(感じる)」と地元の言葉に対しての思いを語りました。 いま、世界に6000あるという言語は今世紀中に9割が消滅するだろうという研究者もいます。金田教授は「母語(生まれたときに身につけた言葉)はちゃんと持ち続ける権利があると思う。基本的にバイリンガルでいいはずだ」と話します。 わたしたちは祖先の言葉を残せるのか…。対策はこれからです。 |
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