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印刷工場が文化複合施設に 古いビルを生き返らせる新発想

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2009年11月13日


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 古くなり使われなくなったビルを全面改装し魅力あるビルにすることを“リノベーション”といいます。都内では築40〜50年たったビルがリノベーション物件として次々に生まれ変わっています。
 日の出駅隣にあるビルは去年まで新聞の印刷工場として使われてきましたが、統廃合により印刷工場が移転。建物は特殊な構造のため、解体に多額の費用がかかるため放置されました。しかし去年9月、その建物に再び活気を取り戻すべくリビタの不動産プロデューサー、原田康弘さんがリノベーションの話を持ちかけました。輪転機が置かれていた印刷工場ならではの空間を逆に最大の魅力と捉えたのです。原田さんは「この空間を今からつくろうとするとつくれない」と話します。リノベーションを専門に手掛ける原田さんは、かつてここで夕刊紙が刷られていたことにちなみ、このプロジェクトの名前を『TABLOID』と名づけました。古い工場の雰囲気はクリエイターに人気があると確信した原田さんはこの建物をデザイナーやアーティストが作品を制作し、発表する場とすることにしました。産経新聞・財務部の平野次長は「新聞社だけでは、決してなしえなかったアイディアかなと」と話します。
 原田さんのような試みは、実はここだけではありません。馬喰町にある繊維問屋向けに作られた築50年のビルは不況のあおりで次々に空室ができ、行き詰ってしまいました。しかし2003年から、その造りを生かした方法で人を呼び込み始めました。こちらは2階に店舗を構えるカフェとギャラリーを融合させた『馬喰町アート+イート』。自身もデザインの仕事をしていた代表の武眞理子さんは、思い描くイメージの店を長年探し続けたといいます。武さんは「(柱の)アーチとか細かな造り。ここにきてこの空間を見て、もう即決、すぐここと決めた」と話します。武さんに物件を引き合わせたのは東京R不動産の松尾尚司さん。問屋街である馬喰町には「路面に対する間口が広かったり、天井が高かったり、なるべくユニークな物件、面白い物件を皆さんに見ていただいて、小さな規模でも適正なマッチングを増やしていきたい」と、魅力的な空間が多いと話します。カフェでは、個展のイベントを開くなど、若手芸術家の発信地にもなっています。
 印刷工場が転じたTABLOIDはスポーツ施設や写真スタジオ、展示場などとして利用されれる予定です。また、現在8割以上のテナント希望者があるということです。原田さんは「一緒に同じ思いを持った人たちが今後の仕事のつながりができたりとか、刺激を受けてより新しいクリエイティブなことができる空間、新しいオフィスのかたちを目指していきたい」と話しています。
 発想を変えることで、老朽化ビルに新たな命を芽生えさせることができたとき、そこは新しい時代を創るトレンド発信地となるかもしれません。