|
|
|
|
||
| 2009年12月1日 | ||
![]() |
かつて日本の工業や交通を支える主要なエネルギー源だった石炭――。日本各地にはその石炭を掘り出す炭鉱がありました。炭鉱をテーマにした絵画や写真などの美術作品を集めた展示会『文化資源としての炭鉱展』が目黒区美術館で開かれています。中には、自身も50年以上にわたって炭鉱で働いていたという山本作兵衛の作品およそ70点なども展示されています。美術館では開催中、かつての炭鉱での生活を分かりやすく伝えようと、炭鉱で生活していた人やアーティストなどを招いて『夜の美術館大学』という講座も開いています。 目黒区美術館では現在、炭鉱をテーマにした絵画や写真などおよそ60の作家による400作品が展示されています。山本作兵衛や野見山暁治など、炭鉱アーティストの作品がこれだけ東京に集まったのは初めてのことです。さらに展示に併せて開催されているのが『夜の美術館大学』です。『堅苦しい』『一方通行』といった美術館のイメージを変えようと、講師とゆっくり話ができるように閉館後に行われています。先月中旬に開かれたこの日の講師は坂本道徳さん(NPO法人軍艦島を世界遺産にする会・理事長)です。12歳の時から8年間、かつて炭鉱の街として栄えた長崎の端島=通称『軍艦島』に住んでいました。当時、東京の人口密度の9倍になるにぎわいを見せていた軍艦島ならではの暮らしぶりを展示されている写真作品とともに紹介しました。坂本さんは「ここにはプライバシーがなかった。出掛けるときも鍵は掛けず『ちょっと行ってくるよ』といった感じだった。今でもこの島の人たちは“みんなが家族だった”という言葉を必ず出しますね」と話します。途中、『黒スイーツ』といわれる石炭産地にちなんだお菓子も配られました。軍艦島コーヒーは塩味が利いていて、意外とすっきりした味わいです。 今ではなかなか聞くことのできない炭鉱の暮らし…。東京でその生の声を聞けたことは来場者にとっては大きな収穫だったようです。参加した人たちは「もともと軍艦島に興味があっていつか行ってみたいなと思っています。会社帰りに寄れる時間帯なので私は来やすかった」「いろいろな情報、専門的な話を聞けるのはうれしい」などと話していました。 坂本さんは軍艦島での体験を伝え続ける意義について「東京はどこから来ているのか、ここから来ているんですよ。石炭という近代化の流れの中で日本の未来をつくっていたのはここ。そういう意味で大事なところだと思う」と話します。東京ではあまりなじみのない『炭鉱』ですが、作品や講演を通して日本の高度経済成長を支えた各地の様子を知る貴重な機会となっています。 この炭鉱展は今月27日まで開催されています。また、次回の『夜の美術館大学』は今週・3日(木)に開催されます。 |
|
|
|