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「超就職氷河期」? 学生を取り巻く就職環境

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2010年2月23日


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 『超就職氷河期』といわれ就職を希望する学生にとっては厳しいことしの就職活動ですが、この氷河期は中小企業にとっては優秀な学生を獲得するチャンスでもあります。学生と企業、それぞれの立場から取材しました。

 2月16日、東京都が開催した『第2回合同就職面接会』には2465人の学生が集まりました。厚生労働省の発表によると、去年12月1日時点の大学生の就職内定率は73.1%で、調査開始以来最低の数値となりました。景気悪化の影響から大手企業の求人数が減少したことに加え、学生の安定志向が高まったことが原因だと専門家は指摘します。第一生命経済研究所主席エコノミストの永濱利廣さんは「世界的な金融バブル崩壊の影響が直撃している。(求人数が減っている)一方で景気が悪いときは学生の安定志向が高まり、よりその業界で上位の会社を狙う傾向がある。ミスマッチという部分が高まるので、より内定が決まりにくい傾向になりがち」だといいます。
 日本経済新聞が行った調査でも就職希望企業の上位には大手企業が並び、職種も総合職や営業職などに人気が集まっています。安定志向が高まった結果、業界や職種を絞る学生が増えているようです。1月に行われた大学4年生対象の就職支援セミナーでも学生からは「職種は営業か一般事務のどちらかで」「総合職と営業職と販売職」といった声が聞かれ、やはりやりたい仕事に就きたいというのが学生の本音のようです。セミナーでは働くことの意味や本当にやりたいことを見つめ直し、学生により広く柔軟な考えを持ってもらうことに重点を置いています。プラッシュアップ・ジャパンの奥村極さんは「やりたい、やりたくないというのはよく分かるが、社会に対してどういう役立ちができるのか(役立ちが)できる職種、できない職種で選んでいきましょう(と話している)」といいます。
 希望する業界や職種の求人が少なく就職活動に不安を抱いている学生が多い一方、この状況をチャンスだととらえているのが中小企業です。採用数が少ないために大手企業に就職できなかった優秀な学生を採用できるとして積極的な採用活動を行う中小企業が増えています。
 中でも変わった採用方法で注目を集めているのがIT系ベンチャー企業です。株式会社ECナビは、ことしの新卒採用にツイッターを導入したことで話題となりました。学生はツイッター上で「ECナビに入りたい」とつぶやくことで会社説明会の参加資格を得られます。ツイッター上では採用に関する質問のほか、会社説明会中の様子などもつぶやかれています。ECナビの宇佐美進典CEOは「ベンチャーというのはどんな事業をやっているかよりも、どんな経営者なのかが会社を表す非常に重要な部分。僕自身が普段どんな内容をつぶやいているか、僕自身をよく知っている学生が応募するんじゃないか。そういう意味でミスマッチが減るのが1つのメリットだと思う」と話します。ツイッター上で募集することで、情報に敏感なITリテラシーの高い学生を採用するのも狙いの1つです。
 採用コンサルティング会社の株式会社ポジカルは、仮想空間『セカンドライフ』に就活テーマパークを作りました。学生は家にいながらにして説明会やセミナーに参加することができます。説明会は音声と文字を使って学生とやりとりをしながら進めていき、営業の職業体験もできます。ポジカルの白井幹人代表取締役は「場所は関係なく会社説明会ができるのが1つ目の大きなメリット。2つ目はミスマッチをなくすということ。バーチャルなので、営業をしたことがない人が営業をしてみたり、仕事を体験できる。理解、納得した上で入社できるのでミスマッチがなくなるのではないか」と話します。
 『大手企業』や『安定』といった漠然とした希望だけでは難しいのが今の就職活動です。第一生命経済研究所の永濱さんは「いわゆる職種間のミスマッチが内定率を下げている要因になっている。行く場所にそこまでこだわらなければ内定率もここまで下がることもない」と話します。
 なぜ働きたいのか、本当にやりたいことは何なのか。厳しい環境だからこそ、今一度自分を見つめ直すことが学生には求められているようです。