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| 2010年3月3日 | ||
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国の重要文化財にも指定されている文京区の旧磯野家住宅、通称「銅(あかがね)御殿」をめぐって、今月末にもこの建物周辺住民が行政訴訟を起こそうとしています。大正初期から残る文化財をめぐって今、何が起きているのでしょうか。 文京区小石川にある旧磯野家住宅は、玄関の門構えも威風堂々とした立派なものです。銅板ぶきの屋根が特徴的な、この旧磯野家住宅は、通称「銅御殿」と呼ばれ、大正元年(1912年)に完成した3階建ての木造建築です。実業家・磯野敬の「時間と金はいくらかかってもいいから最高のものを」との注文を受け、今は入手不可能な屋久杉やベルギー産のガラスなど、当時としては最高の建材を集めて造られたものです。また、東京に数少ない近代和風建築の傑作として2005年には国の重要文化財に指定されました。 「銅御殿」を管理する大谷利勝さんは、亡くなった奥さんとともに長年、屋敷を守ってきました。大谷さんは「ガラス戸を閉めるときも“軟着陸”というか、最後の瞬間をちょっと緩やかに閉めないとこういうガラスは持たない」と話します。 建設からほぼ100年…。その隣に今、高層マンションの建設が進んでいます。 かつてそこは「銅御殿」の庭の一部でしたが、当時の豊かな木々は伐採され工事現場へと変わりました。計画によるとマンションは12階建て・高さおよそ40メートルで、すでに工事が2割進んでいます。 大谷さんたちが心配するものは『ビル風』です。調査によると、場所により通常の1.8倍のビル風が「銅御殿」に吹き付けることが判明しました。特にマンションに近い部分は長いひさしが突き出ていて、強風が吹くと破壊される可能性があるといいます。また、大谷さんは工事の振動が継続的に起きたことで壁にひびが入ったと指摘します。関東大震災と戦争ではびくともしなかった壁がです。 マンション建設をめぐり、大谷さんと周辺住民らはこれまで区への審査請求や裁判所への工事差し止め申し立てなど反対の取り組みを展開してきましたが、その思いはかないませんでした。大谷さんは「まったく建てないでくれとか全部反対だと言っているわけではない。(文化財とマンションが)共存共栄できるような案でお願いしたい。利益も出て…」と話します。 大谷さんと周辺住民が求めているのは「銅御殿」への影響が減るよう、12階建ての計画を6〜8階建てほどに変更するというものです。しかし開発業者はTOKYO MXの取材に対し「すでに当初14階建てだった計画を12階建てに変更しており、計画は周知している」として「住民との協議を継続し事業を推進していく」としています。一方、文化庁は文化財保護法に基づいて事業者への規制を行うことができますが「ビル風の被害はあくまで将来の可能性に過ぎない」と法的な対応は難しいとしています。 これに対し住民側では大きな動きが起きています。住民の会の並木隆史さんは「建設業者も事業者も区も文化庁も、みんながまじめに真摯に事態に向き合って、現実に即した後世に禍根を残さないような対策をとってもらいたい」と話しています。住民らは今月末をめどに国または文京区を相手取り行政訴訟を起こすことを決めました。「銅御殿」をめぐる議論の場は間もなく法廷へと移ります。 |
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