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東大が危ない? 資金難の植物園

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2010年4月15日


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 国から国立大学へ与えられる運営交付金は2004年から毎年1%前後ずつ削減されています。この予算削減の波は日本トップレベルの大学である東京大学も例外ではありません。今、世界的に貴重な植物を持つ東京大学の植物園が資金難に陥っています。

 東京大学の研究施設『小石川植物園』で関係者を招いて植物園のセミナーが行われました。ガイド役は園長の邑田仁教授が自ら務め、来場者に植物園の貴重さを訴えました。その園内では、大学構内で実ったギンナン・カリン・ユズのエキスが入った東京大学特製の「植物園のどあめ」が販売されました。大学・渉外本部の下田浩美マネージャーも「ぜひお土産にご購入ください。こちらのギンナンが一番人気です」と売り込み、東大職員自らが1袋300円のあめを売るのは、すべては植物園の運営資金集めのためなのです。
 江戸時代から300年の歴史を誇り、16ヘクタールの広大な敷地に4000種の植物を持つ小石川植物園――。園の顔ともいえる温室には小笠原諸島に1株残るだけで絶滅の危機にあるムニンツツジなど世界でも貴重な島の絶滅危惧種がなんと90種も栽培されています。しかし邑田園長は「温室を建ててから45年たっていて、鉄骨造りなので骨が腐食していわゆる腐っている状態。地震や大火事があるといつガラスが落ちてくるか分からない」と話します。
 国からの予算は縮小される一方で修理費用は出ず、45年前に造られた鉄骨の温室はところどころにサビが出て、すっぽりと穴が開いています。以前はすべて市民に開放されていた温室も、今では危険なため一部が立ち入り禁止になっています。上から外れかけたガラスが落ちてくる可能性があるため、邑田園長からの指示もあって職員はヘルメットをかぶって作業をしています。すでに耐震工事を施すこともできず、全面改築しか温室の存続の道はありません。
 また、園内の建物は本館の1棟だけで、世界にここだけにしかない貴重な5000の植物標本など計70万点、そして世界中の研究者が利用する貴重な文献が保管庫に入り切らず階段に置かれています。植物園を訪れた人の中にも「風が吹いたら…ちょっと心配だなあという建物ですね」「政府が、ほかの変なことに予算を使うぐらいなら植物園に回してくれればいいのに」「守っていくには自分たちがかかわっていかなければ。今、人に任せたのではできないと思う」と話す人もいます。
 もはや国の予算だけには頼っていられないと、東大も動き始めました。広く一般からの募金を募ってその運用益で植物園を再生しようという「ライフ・イン・グリーンプロジェクト」という取り組みです。東大渉外本部の下田マネージャーは「広く小石川植物園を知っていただき、植物園を守ろうという気持ちで多くの方にご支援をいただければと思い活動している」と話します。東大の生協にも「植物園のどあめ」を置き学生たちにもアピールし、まずは2012年までに10億円の基金をつくるのが目標です。邑田園長は「今以上に研究や教育に役に立つ植物を集める、一般の方にそれを見ていただくという方向に進みたい」と話します。
 第1期計画では温室など研究設備の向上、さらには情報センターを新設して説明員の配置、バリアフリー化を進めるなど、都民が気軽に訪れられる施設にしたいということです。