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薬物依存から立ち直る 東京ダルクの活動

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2010年9月8日


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 覚せい剤などの薬物に依存した人たちの更生を支援を目的とした「ダルク」(DARC=Drug Addiction Rehabilitation Center=「薬物依存リハビリセンター」)という民間団体があります。全国に50ヵ所あるうちの1つ、「東京ダルク」の活動を取材しました。

 荒川区にある特定NPO法人・東京ダルクは、薬物依存者の身体的、精神的自立を目指し更生プログラムを実施しています。1985年に設立されたダルクはこれまで多くの人を社会復帰させ、現在は男性8人が入所して共同生活を送っています。ダルクのプログラムの1つ、グループミーティングでは「自分が覚せい剤を使っているときは、うまくやっていると思っていた」「何となく使い始めて、いつでもやめられると思っていた」などと参加者たちが自らの薬物依存の体験を仲間とともに語り合います。これは自らの体験を仲間たちの前で語り議論を重ねることで内省を促そうというものです。
 2年前から入所しているハッピーさん(仮名・39)は20代の初めに職場の先輩に覚せい剤を勧められたのが依存のきっかけだったといいます。ハッピーさんは覚せい剤の幻覚症状から妻や子どもに暴力を働き、薬物代欲しさに万引などを繰り返し、ついに警察に逮捕されたといいます。「(覚せい剤で)目の前の問題から現実逃避できた」と振り返りますが、「薬物代を稼ぐために犯罪をするのが嫌になった」「すごく寂しくて悲しくて独りぼっち。公園でお金も無いのに盗んだビールを飲んだ」と話します。5回目の出所の際、ハッピーさんは兄にダルクへの入所を勧められました。ハッピーさんは「薬を使って惨めな自分になりたくない、戻りたくない」と話し、「みんな仲間だよと握手して抱きしめてくれた。そのときはうれしかった」といいます。ハッピーさんは現在、1年7ヵ月の間、薬を絶つことができているといいます。順調に回復が進めば来年にはダルクを“卒業”できるということです。ハッピーさんは「クスリは仲間がいればやめ続ける自信がある」としつつ「僕はいずれ施設を出ていかないといけない。だから、施設を出ていったときに試練がきっとくると思う」と話します。
 東京ダルクの幸田実代表は「(彼らは)クスリで何かを埋めている。あるいはお酒で埋めている。穴が空いているものを埋めている。だから、取ってしまうと穴だけ残る。その代わりになるものは『人』でしかない。そうすると(グループミーティングで)仲間同士で支え合っているというのが非常に大きい」「たくさんの人の少しずつの力でその自分の穴を埋めていくことが必要だと思う」と話します。
 ダルクの参加者の手で育てられているヒマワリの苗――。この若葉のように参加者たちは回復に向け一歩ずつ歩み始めています。