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「大阪都」「中京都」 地方発の“都構想”は広がるか?

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2011年1月18日


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 4月の統一地方選挙まで残り3ヵ月です。大阪府を「大阪都」にするなど、橋下府知事らが提唱する“都構想”で自治体の在り方を地方から変えていこうという議論が起きています。構想の中身はどんなものでしょうか。また、大阪、中京とともに東京までも巻き込んだ構想に広がるのでしょうか。

 大阪府を「都」にして「大阪都」、愛知県を「都」にして「中京都」…。新聞やテレビのニュースなどに登場する機会が増えてきた“都構想”ですが、東京都民はどう思っているのでしょうか。街の声は「内容がいまいち分からない」「分かんなーい」「ちょっと違和感がありますね」という声が多く聞かれましたが「いいんじゃないの…?」という声も聞かれました。
 “都構想”は東京都のような都区制度を導入して無駄を省いたより良い行政体をつくろうという構想で、大阪府の橋下知事らが提唱しています。橋下知事は「大阪維新の会」という地域政党をつくり、「大阪都」の実現を目指し4月の統一地方選で府議会・市議会の過半数獲得を狙っています。橋下府知事は「大阪市という枠を取っ払って、人・もの・カネを集めてくるような政策については、ワン大阪、ひとつの大阪としてまとめていこう。そして大阪都にしよう」と気勢を上げます。
 大阪府は大阪市と堺市の2つの政令指定都市を抱えていて、府と市がそれぞれ独自に施策を展開しています。そのため、同じような施策が平行して行われていたり、都市計画が府と市で2つあったりと、結果的に「2つの大阪」を生み出すことにつながっていました。この問題を解消しようと打ち出されたのが「都構想」で、主に2つの柱からなります。1つは「広域行政を大阪府のエリアで一本化すること」、そしてもう1つは「住民サービスなどを行う基礎自治体として、市を再編して『特別区』を設ける」というものです。参考にするのは東京都の都区制度です。つまり、広域自治体として府と市の機能を一本化した「大阪都」をつくり、その下に基礎自治体として東京23区のような特別区をつくるのです。この動きに同調するかのように、名古屋市の河村市長らも愛知県と名古屋市の機能を一本化する「中京都構想」を掲げています。
 そこで、この大阪、中京、そして東京の3大都市圏が連携して国をけん引していこうという「3都構想」が生まれました。この背景にあるのは、リニア中央新幹線の計画です。JR東海は2045年にリニアモーターカーで東京−大阪間を67分で結ぶ計画を打ち出しています。橋下府知事は「67分で結ばれたら通勤圏内ですよ。関東・中部・関西がくっ付いたらGDPとして350兆円という世界で類を見ないとてつもなく巨大な経済都市が誕生する」と訴えます。
 この3都構想に石原知事は「都というのは紛らわしい。キャピタル(首都)ですからね」「国に2つも3つも都があるわけないんで、そんなもの呼称する限り、私は賛成できません。東京にとってみると迷惑千万だ」と発言しました。対する橋下知事は4月の統一地方選で「3都構想」に理解のある都知事候補と連携したいとして「都は1つでいい、紛らわしいということであれば、東京都は名前を変えてもらうとかね…」「中京都、大阪都と一緒になって日本を引っ張っていかなければいけないという都知事に当選していただきたい」という考えを示しています。
 元東京都副知事で明治大学大学院の青山やすし教授は“都構想”の課題を「理念先行ではなく、きちんと広域自治体は何をやって基礎自治体は何をやるのか、権限を明確にすることが必要」だと指摘します。さらに、この“都構想”が東京都へ与える影響については「東京23区の制度は完璧ではなくて、都市計画の権限などは東京都に集中すべきだと思うし、一方で教員の任命権や人事権を都が一括して握っているのはおかしい。今回、大阪や名古屋で制度をいじるということになれば、東京だって手直しするべきところは手直ししようということになるだろう。そういうことになれば、この議論のメリットはあろう」と話します。
 橋下府知事は「都民に伝えたいのは、首都を大阪にしてほしいというのではない。首都は東京、これは当たり前。東京都の力で中京都・大阪都を引っ張り上げながら、3都が合わさって日本を活性化させ、それが東京都に戻ってくる。そのプラスのサイクルに持っていきたい」と力説します。都構想が実現するまでには、府(県)議会・市議会での議決を経て国会での法律の制定も必要で、全国的な理解が求められます。果たして“都構想”の取り組みは広がりを見せるでしょうか…。