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ごみ処理問題で 小金井市・佐藤市長が辞任会見

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2011年11月1日


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 可燃ごみの処理をめぐって騒動が続いている小金井市の佐藤市長はきょう会見を開き、今月12日付で辞任することを表明しました。
 小金井市は二枚橋焼却場を廃止した2007年以降、ごみの焼却を周辺の自治体に委託してきましたが、佐藤市長が委託費について「無駄遣い」と発言したことで委託業務が滞り、可燃ごみの収集を停止する可能性も出てきました。佐藤市長はきょう、一連の騒動の責任をとり12日付で辞任すると発表しました。会見で佐藤市長は「可燃ごみ処理問題への認識が甘く、これまで可燃ごみ処理の広域支援を引き受けていただいた自治体や一部事務組合の方々、施設周辺にお住まいの方々へのお気持ちへの配慮に欠け、誠に申し訳なく思っている。最大限の取り得る責任とは何かと考えたとき、この職を辞するほかないと本日決意した」と述べました。一方、市民からは「無責任過ぎる。辞めてよかった」と厳しい声や「辞任しか方法がなかったのかというのがよく分からない」「市長が辞任するだけでは収まらない気もするので、小金井市民自身もごみ問題に真摯に取り組んでいかなければいけないと思う」などといった声も聞かれました。
 佐藤市長は12日まで各自治体を回り、引き続き協力を求めていきたいとしています。

 可燃ごみの処理を周辺の自治体に頼っている小金井市の佐藤市長が辞任を表明しました。ことし4月の市長選で初当選した佐藤市長がごみ処理委託費を「無駄遣い」と表現したことで周辺自治体が不快感を示し、問題を悪化させてしまったためです。小金井市のごみ問題をまとめました。

 ごみ非常事態宣言の横断幕が掲げられている小金井市では、可燃ごみの処理をめぐって危機的な状況が続いています。小金井市は老朽化のため二枚橋焼却場が廃止された2007年度以降、ごみの焼却は1年ごとに周辺の自治体と契約する綱渡り状態です。二枚橋の跡地に国分寺市とともに新しい処理施設を建設する計画でしたが、敷地を共有する調布市と府中市の同意が得られず、計画は凍結したままです。
 ことし4月の市長選で初当選した佐藤市長は選挙戦でごみ問題に対するそれまでの市の取り組みを「ごみ問題でこの4年間で20億円の負担増」だと批判し「“ごみ難民”と言われている小金井から“環境先進自治体・環境政策が進んだ自治体、小金井”へと生まれ変わらせる」と訴えました。選挙戦で佐藤市長がごみ処理委託費を「無駄遣い」と表現したことに「人道的支援」を続けてきた周辺自治体は強く反発しました。小金井市の昨年度のごみ排出量は1万3400トンで、稲城市・狛江市・府中市・国立市でつくる多摩川衛生組合に7500トン、日野市に2400トン、昭島市に2000トン、八王子市に1500トンを処理してもらいました。しかし、今年度は発生見込みが1万3500トンのところ、多摩川衛生組合に8000トンを受け入れてもらうことが佐藤市長就任前に決まっていましたが、残り5500トンの見通しは立っていません。
 こうした事態を受け、佐藤市長は6月、市の広報誌に「謝罪と撤回」を掲載しました。7月の給料を20%減額し周辺自治体にも謝罪を続けていますが、状況は好転しませんでした。先月、小金井市はタウンミーティングを開き、市が置かれている厳しい状況を市民に説明しました。佐藤市長は「広域支援の重みについての認識や配慮に欠けていた。その点については率直に反省し、おわびを申し上げなければならない」と述べ、市の幹部は「かなり難しい状況であることは事実で、他市に伺って事務方と話をしてもほとんど話になりません」と、他の自治体との交渉が進んでいないことを認めました。しかし集会では具体的な解決策は示されず、市民からは「各市があなたの(選挙公報に)書いたことに反感を持っているんだから、私が市長を辞めるから市民のために小金井のごみを取ってくれと、それぐらいのことを何で言えないんだ」と市長に厳しい声が挙がったほか、会場では「納得できません。これからのビジョンや今の状況について全く説明していない」「何年もよそにお願いしているというのはやっぱり健全なことではない。小金井独自の方法を早く打ち出してほしい」といった声も聞かれました。
 先月25日、府中市では多摩地域の26市全ての市長が集まって意見交換する「東京都市長会」が開かれました。非公開で行われたこの会合で佐藤市長はあらためて無駄遣い発言を謝罪し、支援を求めました。しかし、参加した他の市長からこの件に関しての発言は一切なかったということです。会議を終えた佐藤市長は「これまでの御礼とおわびと、ご支援の重ねてのお願いをきちんとお伝えできたことはよかった。これから個々にお願いをしてまいろうと思っております」と述べました。一方、市長会の会長で、4年間で小金井市のごみ6200トンを受け入れてきた昭島市の北川市長は「ま、いろんなことがありましたから、まずは信頼回復ですよ。信頼関係のね。それ以上は今の段階では受け入れるかどうかという段階じゃない」と述べるにとどまりました。多摩地域のある市長は「抜本的な解決策がない以上、今引き受けたらずっと引き受けざるを得なくなる」と懸念を示しています。
 反省した姿勢を示し謝罪を繰り返している佐藤市長ですが、周辺自治体との溝は埋まらず、収集停止の事態も現実味を帯びてきました。小金井市は受け入れ枠が尽きる日を今月15日と想定し、万が一収集停止となる場合には10日ごろに判断をするものとみられます。佐藤市長は4日に今年度8000トンを受け入れてもらっている多摩川衛生組合を訪れて受け入れ枠の拡大を求める方針でしたが、きょう、突然、市長辞任を表明しました。ごみ問題を自らの発言で悪化させた責任をとることで最悪の事態を回避したい考えです。

 昭島市の北川市長は先ほど「大変重い決断をされたと認識している。小金井市長の決断を受け、昭島市は議会に相談して判断する」と、ごみの受け入れに前向きな姿勢を示しました。また、東京都の笠井総務局長は佐藤市長に対して「うまく(事が)運ぶように、都としても支援をしたい」と話したということです。今後、小金井市のごみ問題をどうすべきなのか、その判断は市民の選択に委ねられることになりました。