*2006.06.02up*
第4回*見城美枝子さん 第4回*見城美枝子さん「自己投資をしてステップアップ」

――― 見城さんと言えば、「ケンケン」の名でテレビの世界で大活躍なさっていた姿が印象的です。 それだけのキャリアがありながら、40代で改めて大学院で学ぼうと思ったのはなぜですか?

4人の子どもを育てながらフル回転で仕事をしていたので、 自分の持っているものを出し切ってしまった、という感じがあったんです。 何かを補充しないと、「長年やってきました」だけでは、この先、仕事を続けられないと思いました。 テレビの世界では特に、女性は「若さ」も実力と考えられがちで、 年齢を重ねることがプラスと評価されにくいのが現状。 だったら、いつまでも仕事を続けていくにはどうしたらいいか。 社会から必要とされる、ということに尽きるんですね。 そのためには何かを学んで、常に再生し続け、進行形「ing」でいなくてはいけないと思いました。

――― 常に再生し続ける。すばらしい言葉ですね。

必要とされる、つまり「needs」のためには、種「seeds」をまかなくてはいけないんですね。 種は何かというと、自己投資だと思います。 自分で種をまいて、きれいな花を咲かせたら、ぜひこの花を飾りたいと思われるはず。 年齢を重ねれば重ねるほど、種をまき、育て続けないと、現役で居続けることは難しいと思います。

――― お子さんを育てる中でも、得るものも大きかったんでしょうね。

第4回*見城美枝子さん えぇ。子どもたちには感謝しています。本当にかわいくて。 男の子3人に女の子1人ですが、小さい頃はいつも抱きしめて、とにかくスキンシップを第1にしてきました。 いくつになってもかわいいので、今でもつい大学生の娘の髪の毛を触ってしまうんですけどね(笑)。 「子育ては子食べさせ。」きちんとご飯を食べさせることが最優先。 「お腹すいた!」と子どもが帰ってきたら、必ずおいしいご飯がある。 そういう風にしてきました。今でも、6,7人でワイワイ食卓を囲む習慣が続いています。 こんなに忙しいのですが、会話がすごく多い家庭なんですよ。 最近は私が仕事から帰ってスーツのまま慌てて台所に立つと、 息子が「僕たちもう子どもじゃないんだから、力を抜いていいよ」などと言ってくれます。

――― 野菜がお好きで、ビタミンたっぷりの野菜をよく食べるそうですね。

すごい量ですよ。もやしなんか、一人で1袋食べますから。 昨日もテレビで春野菜の料理をやっていて、作ってみようと思って、帰りにキャベツを2個買って帰りました。

――― お子さんたちが巣立っていくと、人生の新しいステージが始まりますね。

子どもたちを社会に送り出した後、やりたいことはたくさんあります。 海外に住んでいる友人のところも訪ねたいし、映画もコンサートももっと頻繁に行きたいし。 でもまずは、博士論文を仕上げたいですね。

――― いつも若々しいのは、常にいろいろなものに興味を持ち、再生し続け、「ing」でいらっしゃるからでしょうね。

私の場合、社会的な仕事をさせてもらっていることに感謝しています。 年齢を重ねれば重ねるほど、ルーズな生活をしていると、それが顔や外見、物言いに出てしまいますから。 その点私は、仕事をすることで、いい加減になりそうな自分を常に立て直し、自分を律することができる。 もちろん、仕事をしていなくてもいいんですよ。 主婦の友人もたくさんいますが、いろいろな形で「現役」でいようとしている人は、みんな輝いています。 農業をしている知人たちも、みんな本当にイキイキとしていてきれい。 「なんでそんなにきれいなの?」と聞くと、「日よけしているからねぇ」なんて答えが返ってきますが。(笑)

――― 番組で、「今日の若さを10日間維持すれば、10日後には10日分、若くなっている」とおっしゃっていましたが。

そのためには、毎日の積み重ねが必要ですね。 76歳になる私の叔母は、若い頃とてもスラッとしていたのに、 痩せていると老けて見えると思い込んで一生懸命食べて体重を増やしたところ、緩んだ体型になってしまった。 そこで70を過ぎてからウォーキングマシンを買って、 家で熱心にトレーニングを始めたら、みるみる締まってきたんですよ。 何歳からでもその気になれば、変われるんですね。 実は私、あるとき気がついたら、体がかなり緩んでいたんです。 そうしたら娘から、「お母さん、リミットだね」と言われた。ハッとしました。 このままでは好きな服が着れなくなるって。 それから心機一転、毎日小さな努力を積み重ねるようにしています。ストレッチも欠かしませんし。

――― スキンケアも、毎日の積み重ねが大事ですよね。

大学の頃は日焼けしてツルンとしていて、おでんの中の「ゆで卵みたい」と言われていまして、 更に、仕事で頻繁に海外に出かるようになり、紫外線を思いっきり浴びて……。 あるとき、紫外線は老化の原因になると聞いて、気をつけるようになりました。 今は日傘を手放しませんし、車や列車に乗っている時も手にスカーフやハンカチをかけるなどして、 紫外線を避けるようにしています。 私の母は86歳ですが、肌がツルツルで、ファンデーションを塗らなくてもきれいなんです。 母が言うには、その日の汚れはきれいに落とすことと、保湿が大事だ、と。 その年齢で、「明日にどんな希望があるんだろう」と考えれば、暗くなってしまいますよね。 でも母は毎朝きちんと起きて、きれいに身づくろいをして、前向きに生きています。 年齢を重ねてもイキイキしている母や叔母が、私に生きる力を与えてくれると、最近つくづく思います。
インタビュー/テキスト 篠藤ゆり

Profile

見城美枝子-けんじょうみえこ-

第4回*見城美枝子さん 青森大学教授・エッセイスト・ジャーナリスト
早稲田大学大学院理工学研究科修士終了。
1999年4月より博士課程に進み、日本建築の研究を始める。 TBSアナウンサーを経て、フリーに。 海外取材を含め55ヶ国以上訪問。 現在、青森大学社会学部教授。 建築社会学、メディア文化論、環境保護論を講義中。 著作、対談、講演、テレビで活躍。
リヨン社より「会話が苦手なあなたへ」好評発売中。

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