-青梅- 小説の似合うまち 







SFファンタジーのまち

青梅駅から立川方向へ少し戻り

キネマ通りの坂を上っていくと

喫茶「夏への扉」があります。

--僕の猫のピートは冬になると
決まって夏への扉を探し始める…


こんな書き出しで始まる

『夏への扉』は

かのSF小説の巨匠

ハインラインの作品。

オーナーはSFファンということは

ないそうですが、

もとは診療所だったという

この建物を見つけたとき

なぜかすぐに『夏への扉』という

言葉が浮かんだそうです。

そういえば懐かしい町・青梅は

SFファンタジーが

似合いそうな気がします。

そんな雰囲気を求めて

青梅にはいつも

夢見る小説ファンが訪れるのです。




青梅(おうめ)

JR青梅線 青梅駅
 小説の舞台
 

東京の最果てに位置する青梅はこれまで、かずかずの犯罪の舞台となってきました。もちろん、それは小説の中のこと。青梅にはまたミステリーも似合うのです。
 
田無を過ぎると、両側は林や畑ばかりになった。「ここを過ぎれば、あとは奥多摩の山道だ。非常線の心配はなくなる…町の中に入った。人気はない、もう大丈夫だ」
江戸川乱歩『死の十字路』では殺人を犯した犯人が死体を車のトランクに詰め、青梅に逃走してくる場面が描かれます。

 

大友柳太郎主演の映画で知られる『怪傑黒頭巾』は青梅に住んでいた高垣眸の作品。高垣は26歳のとき高等女学校教師として赴任するために青梅にやってきました。
 
高垣は『まぼろし城』『豹の眼』など少年向け冒険小説を次々に世に送り出しました。『豹の眼』は悪漢と戦う無国籍風アクションミステリー。財宝探しの舞台となる深い森や滝などは青梅の自然をイメージさせます。

 

天徳は一見普通の天ぷら屋さんですが、店にはさりげなくこんな色紙が飾られています。作家壇一雄はしばしば家族でこの店を訪れていました。
 
太宰治と文学活動を共にし、最後の無頼派と呼ばれた壇一雄は、奥多摩に疎開していた友人を訪ねてたびたび青梅を訪れました。このとき馴染みになったのが天徳です。

 

なんということもない、懐かしいのである。その昔の昔、食べ慣れていたような心地なのである。まずごま油くさい、その色とにおい。平凡で野暮な天ぷらの姿…
壇は、ここの天つゆはしょっぱいと言いながら、嬉しそうに食べたと言います。
 
ビールに天ぷらを食すのが大好き。エビ・アナゴ・キスと野菜の天ぷらの盛り合わせにビール、名付けて「壇一雄スペシャル」!

 

色紙からは家族円満だった壇の様子がうかがえますが、皮肉なことに色紙が書かれた10年後、愛人との破滅的な私生活を赤裸々につづった代表作『火宅の人』が発表されるのです。
 
小説の似合うまち、青梅。SFファンタジーにミステリー、そして無頼派。あなたはどの青梅を読みたいですか?

 

【夏への扉】
営業時間  10:00〜18:00
定休日  火曜日
住所  青梅市住江町16
TEL  0428-24-4721
【天徳】
営業時間  11:00〜19:00
定休日  金曜日
住所  青梅市仲町260
TEL  0428-22-3207

 



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